代襲相続で財産のことが分からない。遺産分割前の相続税申告はどう進める?
代襲相続では、被相続人との関係が遠く、生前の財産や預貯金の状況をほとんど知らないまま相続人になることがあります。
他の相続人が財産資料を管理している、十分な情報共有がない、遺産分割もまとまっていないという状況が重なると、相続税申告の準備はさらに難しくなります。
それでも、相続税の申告期限は別に進みます。
代襲相続とは
たとえば、亡くなった方の子が既に死亡している場合に、その子である孫が相続人になることがあります。相続人となる兄弟姉妹が既に死亡している場合に、その子が相続人になる場合もあります。
相続人の範囲と相続分は、家族関係や死亡の時期などを戸籍等で確認して判断します。本記事では民法上の手続の詳説ではなく、財産情報が少ない相続人の申告準備を説明します。
なぜ財産情報が不足しやすいのか
被相続人と離れて暮らし、日常の財産管理に関わっていなければ、どの銀行に預金があるか、どの不動産を所有していたかを知らないことがあります。代襲相続だから必ず情報が少ないというわけではありません。
ご自身が把握していない財産と、他の相続人が把握しているが未共有の情報を分けることで、次の確認先を整理できます。
遺産分割がまとまらなくても期限は進む
申告義務がある場合、遺産分割が未成立でも申告・納付の準備が必要です。財産を知らなかったことや、相続人間の話合いが進まないことだけで、申告期限が自動的に延びるわけではありません。
相続の開始をいつ知ったかも含め、まずご自身に適用される期限を確認します。未分割であることだけで、すべての人に申告義務が生じるわけではありません。
まず確認する資料と事実
相続人の関係が分かる戸籍、遺言書、手元の財産資料、他の相続人から届いた財産目録や説明、協議や調停の状況を整理します。
分かる財産の種類、資料の保管者、これまでに受けた説明を一覧にします。親族から聞いた情報についても、証明書等で確認できているかを区別します。
他の相続人が資料を持っている場合
何の資料を誰が持っているかを整理し、提供を依頼できるものと、ご自身で適法に取得できる資料を確認します。残高証明書や取引履歴等は、必要書類や請求できる範囲を金融機関へ確認します。
資料収集は原則として依頼者や関係者にお願いし、当事務所が必要資料と確認方法を案内します。相手方へ資料の提出を強制する業務を税理士が行うものではありません。
確認済み/未確認を分ける
確認できた財産、所在は分かるが未共有の資料、存在自体が未確認の事項、関係者の説明が異なる事項を分けます。「分からない」を一つにまとめず、不足している情報を具体化します。
申告時点で確認できた資料と判断根拠を残すことで、後から資料が出てきたときや説明を求められたときの確認につなげます。
未分割申告を進める
未分割財産の税額は、原則として民法上の相続分等の所定の割合により計算します。代襲相続人の相続分を確認し、実際に分割済みの財産がある場合は、その内容も区別して確認します。
特例の取扱い、必要書類と期限、納税資金を整理します。分からない財産を根拠なくゼロとすることも、後で直すからと概算だけで申告することも適切ではありません。
分割成立後に必要な確認
分割成立後は実際の取得内容に基づく税額の再計算と必要手続を検討します。新しい財産・資料が見つかった場合も、当初申告への影響を確認します。
当初申告時の評価誤りなどと、分割成立に伴う税額変更は区別して考えます。分割後まで一律に待てるとは限らないため、誤りや新しい事実に気づいた時点で担当税理士へご相談ください。
参考情報
本記事は一般的な情報です。実際の対応は相続開始日、相続人、財産、分割状況、資料の確認状況等によって異なります。
現在分かっている範囲から、ご相談ください
申告期限と現在の状況を伺い、対応可否・業務範囲・料金を事前にご案内します。