特例・申告後の手続

未分割申告後に配偶者の税額軽減を使うには

未分割申告後に配偶者の税額軽減を検討する場合の必要書類、実際の取得財産、分割期限、更正の請求を説明します。

未分割財産には当初申告で原則使えない

未分割の財産には、配偶者の税額軽減を当初申告で原則として適用できません。ただし、必要な書類を当初申告に添付し、期限内に分割され、配偶者が実際に財産を取得して要件を満たす場合は、分割後の更正の請求によって適用できる可能性があります。

配偶者の税額軽減は、配偶者が実際に取得した正味の遺産額について、1億6千万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額まで相続税がかからない制度です。未分割の税務計算上の割合だけで適用を決めることはできません。

分割見込書

将来の軽減を検討する未分割財産と、当初申告の分割見込書の添付状況を確認します。添付していない場合も提出経緯と適用規定を個別に確認し、提出だけで適用・還付が確定するとは考えないでください。分割見込書から分割後の請求までの共通手続 →

分割後に確認すること

配偶者が実際に取得した財産を基に計算します。分割前の計算上の取得額と、成立後の実際の取得額を混同しないようにします。

財産の一部だけ分割できている場合は、分割済みの財産と未分割の財産を分けて確認します。未分割の財産が残っていることだけで、すべての財産について特例が使えないと決まるわけではありません。一方、分割済みであっても、取得者や対象財産などの要件を満たす必要があります。

  • 分割の成立日と配偶者の実際の取得財産
  • 遺産分割協議書、調停調書、遺言書等の内容
  • 戸籍等の関係書類と税額軽減の計算明細
  • 当初申告・納付額と再計算後の税額
  • 分割期限、請求期限、必要な添付書類

配偶者に割り当てる予定額ではなく、成立した分割の取得内容を資料で示すことが要点です。戸籍等による関係の確認、取得財産を示す書類、税額軽減の明細を対応させます。隠蔽・仮装されていた財産は、この軽減の対象に含まれません。

更正の請求

申告後の遺産分割に基づいて配偶者の税額軽減を受ける場合、国税庁No.4158は、分割が成立した日の翌日から4か月以内の更正の請求を案内しています。請求書に計算明細と取得内容を示す書類等を添えて提出します。

協議書による場合は、相続人全員の印鑑証明書等も含め必要書類を確認します。分割を知った日等に特別な事情がある場合は、相続税法第32条の起算点も個別に確認してください。

3年を超える場合

申告期限から原則3年以内に分割できないときは、所定のやむを得ない事情と期限内の承認申請が問題になります。調停の継続だけで自動延長されません。配偶者が取得する財産の確認と併せて、3年を超える場合の承認申請・分割期限 →を確認してください。

自動的に還付されない

遺産分割が成立しても、税務署が自動的に再計算して還付するわけではありません。必要書類をそろえ、要件と期限を確認したうえで更正の請求を行います。

再計算の結果と税務署の確認を経て手続が進むため、返金額や時期を事前に保証するものではありません。分割後の税務手続は、当初申告とは別に業務範囲・料金を確認します。

参考情報

国税庁の一次資料をもとに整理しています。個別の取扱いは、相続開始日、財産、取得者、資料や分割の状況等によって異なります。

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